eMAXIS Slim S&P500誕生と米国株式インデックス(楽天全米株, iFree NYダウ, iFree S&P500)
eMAXIS Slimシリーズに新たにeMAXIS Slim S&P500が追加されました。
S&P500は米国の大型企業500社をインデックスにしています。S&P500投信は2017年8月に大和投資信託がiFree S&P500の販売を開始したことで低コスト化が進みました。
それまではS&P500に低コストに投資するにはETFを買うしか無かったので、iFree S&P500の設定は米国株投資の敷居を大きく引き下げた商品でした。
iFree S&P500の信託報酬は0.243%(税込)で当時としては低コストでしたが、一ヶ月後に楽天全米株式インデックスが誕生して情勢が変わりました。
楽天全米は米国企業約3600社をインデックスとして運用されているバンガード社ETF(VTI)を購入するファンドです。S&P500とは違いますが、信託報酬が0.1696%(税込)でiFree S&P500以上の低コスト化を実現しました。
楽天全米は大きな人気を集め、iFree S&P500より後発にもかかわらず2倍以上の純資産を集めています。
そして、今月eMAXIS Slimから新たにS&P500ファンドが誕生しました。eMAXIS Slim S&P500の信託報酬は0.1728%(税込)でiFreeの0.243%を大きく下回ります。
S&P500に投資したい人にとってeMAXIS Slimは最もオススメできるファンドだと思います。
米国株に投資するインデックスは大きく3つあります。S&P500と楽天全米(VTI)が指数とするcrsp usトータル・マーケット・インデックス、そしてNYダウです。
NYダウ |
S&P500 |
VTI (CRSP USトータル・マーケット・インデックス) |
|
構成銘柄数 |
30 |
500 |
3588 |
銘柄の特徴 |
超大企業のみ |
大型企業 |
大型、中型、小型企業と幅広い |
指数の算出 |
株価平均 |
時価総額加重平均 |
時価総額加重平均 |
米国株インデックスファンドの信託報酬と純資産です。
ファンド名 |
信託報酬 |
純資産 |
設定日 |
iFree NYダウ |
0.243% |
69億 |
2016/09/08 |
eMAXIS Slim S&P500 |
0.1728% |
3億 |
2018/07/03 |
iFree S&P500 |
0.243% |
53億 |
2017/08/31 |
楽天全米 |
0.1696% |
150億 |
2017/09/29 |
eMAXIS Slim S&P500は開始から10日間で3億円に到達しました。このペースで増やしていくといずれiFreeに追いつくでしょう。
それでは、各インデックスファンドの2018年のパフォーマンスを比較してみます。
eMAXIS Slimは開始間もないファンドなのでパフォーマンス比較からは除いています。最近1ヶ月位はiFree NYダウが楽天全米、iFree S&P500をかなり下回っています。
実際の指数でも確認してみましょう。(出典:yahoo finance)
橙:NYダウ、青:VTI、緑:S&P500
やはり、NYダウのパフォーマンスが冴えません。米中貿易戦争の懸念が高まっていますが、より大きな企業ほどマイナスの影響を受けているのかもしれません。
eMAXIS Slim S&P500の誕生でS&P500のベストファンドがiFreeからeMAXIS Slimに置き換わりました。実質コストや実際のパフォーマンスを確かめないと確定しませんが、今の信託報酬でiFreeがeMAXIS Slimを上回っている可能性は低いでしょう。
iFreeにはeMAXIS Slimに対抗して一段の信託報酬引き下げを頑張ってもらいたいですね。