米国株の今後5年間の期待リターンはゼロ?
インデックス投資で一番人気は米国株です。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は2018年7月に設定された比較的新しいファンドですが、既に純資産が9千4百億円を超えています。
米国株ブームと言って良いでしょう。
米国株が人気なのは過去10年以上株価の上昇が続いているからですが、今後も同じ様なリターンを期待するのは甘いかもしれません。
過去の長期的なデータから、現在のPER(P/E ratio)と将来のリターンに相関があることが分かっています。
PERは株価の割高さを測る指標なので、PERが低ければ将来リターンが高くなり、PERが高ければ将来リターンが低くなるのは当たり前のことですね。
JPモルガンが発表した資料(Guide to the market)に、PERと将来リターンとの相関に現在のPERをプロットした図が掲載されています。
左図はPERとその後1年間のリターンです。PERと1年後リターンに相関はありますが、かなりばらついています。PERが高いからといって必ずしも1年後リターンが低くなるとは言い切れません。
右図はPERとその後5年間の平均年率リターンです。1年後リターンに比べてばらつきが小さくなり強い相関がみられるようになりました。
PERが高いとその後5年間の期待リターンは小さくなることがはっきりと言えそうです。
赤い点が2021年12月31日時点のPERを示していますが、この図によるとその後5年間の平均年率リターンはゼロ付近に位置しています。
過去10年間の米国株の快進撃をみると米国株に投資したくなりますが、冷静に過去データを分析すると今後は上がりにくい展開が予想されます。
これから米国株に投資するなら数年後のリターンを期待するよりもっと先の10年後、20年後を見据えた投資をしていくべきでしょうね。
レバナス投資をしているとがっかりすることになるかもしれません。