武田薬品工業株を買い戻しました
先週、個別株投資の大失敗と称して武田薬品工業株を売却したことを報告しました。
11年前に70万円で購入した株を10年来安値水準の37万5千円で手放したという、まさに大損した話です。
30万円以上の損失を出した株ですが、今週初めの暴落に乗じて買い戻すことにしました。購入価格は36万3千円です。
購入した理由は2つあります。
1つは売却時よりさらに下がってお買い得に見えたからです。暴落時は何か購入したいと思いますが、普段から調べていないとどれを買って良いのか分からないですよね。
私の場合、武田薬品株は10年以上保有していたので他の銘柄よりはよく知っています。
損益通算の為とはいえ、37万5千円で手放すのは大失敗と思っていました。
それがさらに安くなったのだから買わない理由はありません。
(まあ、後からみるとやっぱり割高で買ってしまっていたということになるかもしれませんが。。)
もう1つの理由は武田薬品の新しいビジネスに期待しているからです。
武田薬品株が大きく下落しているのはシャイアー社という武田薬品よりも規模が大きい会社を買収したからです。買収には多額の資金が必要なので財務状況が急激に悪化します。買収後に新薬の開発が順調に進まなければ、会社自体の存続が危ぶまれるようになるかもしれません。
まさに創業以来の大博打といって良いでしょう。
でも新薬開発の成功が命運を握るのは武田薬品だけの問題ではありません。
私は武田がシャイアーを買収することで、希少疾患薬を重点領域にしていくことに興味を持っています。
これまでの新薬開発は高血圧などの「ありふれた病気」に対して開発されてきました。
患者の数が多い方がたくさんの薬が売れるからです。
世界中の製薬会社が「ありふれた病気」の開発を行ったおかげで今ではたくさんの薬が利用できるようになっています。一方で、これから新しく「ありふれた病気」の薬を開発しても既存の薬を上回ることは非常に難しくなっています。
ここで武田薬品が出した答えの1つは希少疾患領域への進出です。
武田が買収めざすシャイアー、「希少疾患」薬の価値は (写真=ロイター) :日本経済新聞
希少疾患は患者数が少ないのでこれまであまり開発されてきませんでした。
でも希少疾患は種類が非常に多いので全部合わせると患者数は3億5千万人に上ります。20人に1人は希少疾患患者ということですね。
希少疾患の原因の多くは遺伝子異常です。たくさんの人の遺伝子情報を比較することで疾患原因の特定が可能になりつつあります。
シャイアーの買収で武田は遺伝子情報を使った創薬で世界のトップランナーに躍り出ることになります。
武田薬品の試みがどうか成功して希少疾患で苦しまなくて済む世界が実現して欲しいと思います。
そして武田薬品株で被った損失を取り返させて頂きたいと思います。