「NISA」と「つみたてNISA」どちらを選ぶべきか?
「老後の生活費は年金の他に2000万円必要」という、金融庁のレポートをきっかけに投資を始める人が増えているそうです。
年金制度改革が議論されていますが、今の若い人が将来受け取る年金が目減りするのは確実です。
少しでも早いうちに投資を開始して将来に備える必要があるでしょう。
「一般庶民は不安よな。政府動きます。」
ということで導入されたのがNISA、つみたてNISAです。
一般庶民の我々は藁にもすがる思いで利用するしかありませんね。
NISAはNippon Individual Savings Accountの略です。
一言でいうと、株の儲けに掛かる税金を免除する制度ですね。
元々はNISAは1種類しかありませんでしたが、2018年から新しく「つみたてNISA」が開始されました。
従来型NISAとつみたてNISAの違いは以下の表が詳しいです。
(出典:楽天証券)
大きな違いは年間投資上限額と非課税期間です。
先に始まった一般NISAは運用期間が5年間ですが、これが短すぎるということで運用期間の延長が要望されてきました。
そこで、誕生したのがつみたてNISAです。運用期間が4倍に伸びた代わりに運用上限が3分の1の40万円に抑えられています。
また、「一般NISA」と「つみたてNISA」は同じ年に両方選択することはできません。
どちらかを選ぶ必要があります。
では、一般NISAとつみたてNISAのどちらを選択するべきでしょうか?
私は以前は一般NISAで運用していました。
2018年につみたてNISAが始まったのをきっかけにつみたてNISAに移行しています。
両方のNISAを経験した私の意見は、一般庶民はつみたてNISAを選択するべきだと思います。
理由は、一般NISAは一般口座で運用するよりも不利になる可能性が大きいからです。
NISA口座で絶対にやってはいけないことは損失を出すことです。
損失はどの口座でも嫌なものですが、NISA口座で損失を出してしまうと一般口座よりも不利な状況になってしまいます。
一般口座で損失を出した場合は、他の利益と通算することで税金を抑えることができます。これを損益通算といいます。
これがNISA口座だと損失を出した場合も損益通算することができません。
NISA口座のメリットを受ける為には運用期間中に利益を確定させないといけません。
一般NISAは非課税期間が5年しかありません。この期間で利益を出すのはかなりのギャンブルだと思います。
投資初心者だとむしろ損失を出してしまう可能性の方が高いんじゃないかと思います。
NISA制度を利用することが却って自分の首を締めてしまうことになります。
つみたてNISAは運用期間が20年ですので、損失を出す可能性はかなり抑えられると思います。
積立投資で毎月コツコツ投資していれば、ある程度は報われるはずです。
NISAの運用期間制限は撤廃するべき
NISAはイギリスの非課税運用制度ISAの日本版という形で導入されました。
本家のイギリスISAに運用期間の制限が無いにも関わらず、NISAには制限があります。
運用期間の制限があると、投資にギャンブル的要素が発生することになります。
株は上がったり下がったりを繰り返しながら長期的には上昇していくものですが、投資期間に制限があると「いつ上がるか?」「今、売るべきか?」という判断を迫られることになります。
これでは「老後の生活費」という庶民にとって切実なお金を運用することは出来ないですよね。