「安全安心」を追求すると投資なんてしない方が良いという結論になる
最近、「安全安心」という言葉をよく聞きますね。
人は誰でも安定を求めるので、「安全安心」の価値は極めて高いといえます。
でも投資の世界では「安全安心」を追求すると資産は全く増えません。
投資は「安全安心」を引き換えにして利益を得ようとする行為だからです。なんの将来保証も無いことがリターンの源泉になります。
投資の最大のデメリットは将来の計画が立てられないことです。
今日投資したお金が1年後に増えてるのか、減っているのか分かりません。これは考えてみるとものすごいデメリットです。
私はFIRE(早期リタイア)に興味があるので、ファイナンシャルプランナー(FP)が解説する「〇〇〇〇万円あったらリタイア出来るか?」という記事をよく読みます。
FPは今ある資産から将来必要になるお金を差し引いた結果、寿命まで資産が残るかどうかでリタイアの可否を判断します。
ここでいつも私が不満に思うのはFPは投資資産からのリターンを考慮しない点です。
FPは大抵、リスク資産からのリターンをゼロとして推計します。相談者へもリスク資産はなるべく少なくするようにアドバイスします。
リスク資産の運用益を考慮せずに試算するので、かなりの資産がないと早期リタイアは難しいという結果になります。
でもこれはある意味仕方ありません。
増えるか減るか分からないリスク資産を基に支出計画を立てるのは難しいからです。
増える場合もどれぐらい増えるかは誰にも分かりません。1.1倍かもしれないし10倍かもしれません。もちろん減る可能性もあるので、保守的に試算するならマイナスを前提に計算するしかありません。減ることを前提に考えるなら、そもそも資産運用なんてしない方が良いという結論になってしまいます。
突き詰めて考えると、資産運用はどう取り繕ってもギャンブルです。
どんなに分散投資しても投資するタイミング次第で結果は大きく変わります。
私は過去の資産運用のデータを分析したトリニティスタディの論文を読んで一つの境地に達しました。
投資の世界で将来を予見することは不可能です。同じ投資法でも始める時期の違いだけで結果が全く変わってしまいます。
投資をするなら儲かるのも損するのも結局は運次第と思って、完璧な計画を立てるのは諦めるしかありません。
運が良くても悪くてもその結果を受け入れて柔軟に支出を変えていくしかないでしょう。
貧しくなる覚悟がある人だけが豊かになるチャンスを得られるのです。