1億円のポートフォリオ

株が下がるとナンピンします。1億円持ってます。

ニッセイ外国株式インデックスとeMAXIS Slim先進国株式インデックス - 投信比較

世の中にはたくさんのインデックスファンドがありますが、多くの人にとって主軸になるファンドは先進国株式になると思います。

 

先進国株のメリットはリスクが低いことです。

投資先はアメリカ、カナダとEU諸国になります。これらの国は経済が成熟しているので景気の浮き沈みの差が新興国に比べて小さいです。政治面でも成熟しているので突然の経済危機という事態も少ないでしょう。

さらに複数の国に分散して投資するので、国ごとの株価変動のばらつきを抑えることができます。

市場も大きく、成熟しているので取引コストが新興国よりも低く抑えられます。

先進諸国への分散投資はリスクを抑えた株式投資だと言えるでしょう。

 

先進国株式インデックス投信の2大巨頭といえば、ニッセイ外国株式インデックスとeMAXIS Slim先進国株式インデックス の2つです。

 

ニッセイ外国株式インデックスはインデックス投信低コスト化のパイオニア的ファンドです。常に最安クラスの信託報酬を提案することで業界全体を引っ張ってきました。「投信ブロガーが選ぶ fund of the year」で常に1位、2位を獲得していますし、純資産額も1000億円を突破し、他のファンドよりも抜き出た存在と言えるでしょう。

私が最初に購入したファンドもニッセイ外国株でした。

 

一方でつみたてNISA開始をきっかけにインデックスファンドの低コスト化が一気に進みました。その急先鋒がeMAXIS Slim先進国株です。

2018年1月に信託報酬を0.109%に引き下げました。他のファンドを大きく引き離す低コスト化で大きな話題となり、多くの投資家がeMAXIS Slim先進国株に乗り換えました。私も信託報酬引き下げのニュースを聞いてeMAXIS Slimに乗り換えた1人です。

 

eMAXIS Slim先進国株は大変な人気となりましたが、ニッセイ外国株も黙っていませんでした。今年7月にニッセイが信託報酬をeMAXIS Slimと同率まで引き下げています。

これで現在の両ファンドのコストはほぼ拮抗しています。

コスト面で比較すると、どちらのファンドを選ぶかは好みの問題と言って良いかもしれません。

 

では、実際のパフォーマンスはどうでしょうか?

ニッセイとeMAXIS Slimの過去1年間の基準価格の推移を比較してみます。

f:id:accumulationstrategies:20181007163933p:plain

青:ニッセイ外国株緑:eMAXIS Slim先進国株

基準価格の開始を1万円に調整して比較しています。

同じMSCIコクサイをベンチマークとしているのでグラフはほぼ重なってみえます。

よく見ると、少しだけeMAXIS Slimが上回っています。1万円投資した場合11円、率にして0.11%です。

大した差でないようにも思えますが、1千万円投資している場合は1万円以上の差になります。

 

もう少し分かりやすくするために、基準価格の差分でグラフを作成してみます。

f:id:accumulationstrategies:20181007165051p:plain

eMAXIS Slimからニッセイの基準価格を差し引いたグラフでは、3月〜6月頃にeMAXIS Slimがニッセイを引き離していたのが分かります。

これは信託報酬の差が大きかった期間と重なるので信託報酬差がパフォーマンスに反映されていたと考えられます。

ニッセイが信託報酬をeMAXIS Slimと同水準に引き下げた7月以降は両者のパフォーマンスが拮抗しています。

図で気になるのは2月6〜7日に発生した大きな差です。2月6日にSlimがニッセイを大きく上回りますが、翌日には一転してニッセイが逆転します。

他の先進国株ファンドとSlimとの間にはこのような差は無いので、ニッセイの基準価格が大きくブレたと考えられます。

ニッセイはベンチマークに大きな価格変動があるとこのような乖離が発生しやすいみたいです。

 

どちらもすばらしいファンドですが、私は僅差でeMAXIS Slimに軍配を上げます。

Slimが基準価格を引き下げてからニッセイが追随するまでに約半年掛かり、パフォーマンスの差を生み出しました。

これが逆だった場合、Slimはすぐに対抗値下げをしたと思います。実際、Slimはこれまで他社が基準価格引き下げるとすぐに追随しています。

いつも最低コストを提供してくれるという安心感の差ですね。

 

私はeMAXIS Slimに投資していますが、ニッセイも応援しています。

ライバル同士の切磋琢磨が投資家の利益になるからです。