1億円のポートフォリオ

株が下がるとナンピンします。1億円持ってます。

つみたてNISAと確定拠出年金(iDeCo)の使い方

今回はつみたてNISAと確定拠出年金(iDeCo)の使い方について考えてみたいと思います。

読者の方に次のようなご相談を頂きました。

現在45歳の会社員で、会社で企業型確定拠出年金に入っております。 運用は恥ずかしながら定期預金のみで月々2.6万円を拠出しおります。 ですが、このままでは良くないと思い、来年から運用先を変更しようと 考えており、候補としてはDIAM外国株式インデックスファンドで 配分は100%の予定です。60歳までの14年間で外国株式1本で行くのは リスクが高すぎるでしょうか?それとも2.6万円の配分を外国株式と預金など分散させたほうが良いでしょうか? ちなみに2019年1月から「つみたてNISA」を楽天証券で始める予定で 購入ファンドはeMAXIS slim米国株式に月々1万円を2037年までの19年間、積み立てる予定です。(金額は住宅ロ-ン完済後の50歳から3.3万円に変更します) またインデックス投資の出口戦略についても不安を持っております。 

 確定拠出年金とつみたてNISAの使い方をどうすれば良いかというご相談ですね。

インデックス投資と言っても制度の利用を含めて考えると様々な投資方法があると思います。でもどれが正解かは相場を見通せない以上、確かなことは誰にも言えません。

ここでは、私だったらこうするという方法をご紹介したいと思います。

 

  • どの口座を優先するべきか

私は確定拠出年金、つみたてNISA、普通口座の3つの口座の内、確定拠出年金を最も優先します。さらに余裕があればつみたてNISAで積立て、最後に通常の証券口座を使うようにします。

 

確定拠出年金とつみたてNISAは節税の為の口座ですが、確実に節税が可能なのは確定拠出年金の方だからです。

確定拠出年金は所得控除により所得税、住民税から節税できます。定期預金でも十分な節税効果があります。

これに対してつみたてNISAは利益分の課税が免除されますが、利益が出なければ節税できません。

 

確定拠出年金のデメリットは自由度が小さいことです。

1つは選べる商品にかなり制限があります。運用会社によっても違うと思いますが、各資産クラスごとに1〜2の選択肢くらいしかありません。ご相談者は”DIAM外国株式インデックスファンド”を候補に挙げられていますが、外国株式に投資するにはこれしか選択肢が無いのだと思います。

もう1つは途中で解約が出来ないことです。60歳まで口座からお金を出すことが出来ません。

60歳まで手を付けないで良いお金だけで投資しないといけません。

 

  • 各口座でどの金融商品に投資するべきか

金融商品はどれくらいのリスクを取れるかで変わってきます。株式といった高いリターンが見込める商品はそれだけリスクも大きいですよね。

投資予定の投信を高リスク、中リスク、低リスクの3つに分類します。

分類した投資商品を3つの口座にそれぞれ以下のように割り振ります。

  • 高リスク:つみたてNISA
  • 中リスク:確定拠出年金(iDeCo)
  • 低リスク:通常の証券口座

 このように分類した理由は利益が出た場合の節税効果の大きい順です。

つみたてNISAは利益分が全て非課税になるので最も高リスク(高リターン)な商品を割り当てます。確定拠出年金は受取時に税が優遇されるだけで課税されます。

 

 

私の基本的な考え方はこの通りですが、ここでご相談者さんのご質問にお答えしようと思います。

ご相談者さんはこれまで確定拠出の定期預金で月々2.6万円積み立てされています。それを外国株式インデックスに配分100%に変更するのはリスクが過大なのではと心配されています。

ご質問者さんがこれまでの定期預金をどれくらい続けられてきたかでも変わりますが、私は外国株式100%でも特に問題無いと思います。積み立て投資はゆっくりとしか増えないのでリスクが大きくなるのも緩やかです。

株式に変更してみて、やっぱり日々の変動の大きさに耐えられなければ株式の比率を減らせば良いのです。

確定拠出年金のメリットにスイッチングがあります。含み益が出ている商品を売却しても運用期間中は課税されません。運用枠もそのままなのでその資金で別の商品を購入することも出来ます。

最初は株式に投資しておいて、ある程度資産が形成されたらリスクの低い商品に変更するということも出来るでしょう。ご自身の年齢を基準にリスクを決めても良いと思います。最初は株式比率を高くして、徐々に株式比率を下げていけば終了時の受取額の見通しが立てやすくなります。

つみたてNISAは一度売却してしまうとその運用枠で買い直すことが出来ないのでこれは確定拠出年金だけのメリットになります。

 

インデックスの出口戦略については私も悩んでいますが、私は資産目標に到達すれば少しづつリスクを下げていく運用をしようと考えています。

具体的には株式のインデックスファンドを少しづつ解約していきます。

相場の先行きは分からないので、投資の入り口も出口も一気にお金を動かさずに徐々に移動させていきます。それである程度は相場の影響を弱めることが出来ると思います。

 

まとめると、ご質問者さんの運用計画で私は特に問題を感じませんでした。確定拠出年金でこれまで積み立てた定期預金を売却して一気に外国株を買うというのなら考え直した方が良いかもしれませんが、新規に積み立てる分だけ外国株式にするのならリスクの増え方も緩やかです。

つみたてNISAで購入するeMAXIS slim米国株式も特に問題無いと思います。1点だけ気になるところは米国株というところでしょうか。

なぜ数多ある国々の中から米国だけに投資するのかをもう一度考えてみても良いかもしれません。