先進国株インデックスファンドのコスト競争は終盤戦 どれを買っても大差なし!?
eMAXIS Slim先進国株が信託報酬の引き下げを発表しました。
現在の0.999%から0.0965%への引き下げです。
https://www.am.mufg.jp/text/release_191204.pdf
今回の引き下げはSBI・先進国株式インデックスファンドの引き下げに対抗するものです。
「eMAXIS Slim先進国株式」コスト引き下げ、「雪だるま」に対抗
Slim先進国株の引き下げ幅は0.0034%なのでで3~4%くらいの値下げです。
小刻みな値下げですが、値下げはいつでも大歓迎ですね。
ただ、今回の値下げを見て感じたのはもうそろそろ先進国株のコスト競争も終盤だということです。
各社のインデックスファンドシリーズの中でも先進国株ファンドは最も売上の大きい”フラッグシップ”の商品になります。
つみたてNISAをきっかけとして先進国株ファンドの激しいコスト競争が続きました。そのおかげで今や信託報酬が0.1%を切るレベルまで低コスト化が進んでします。
でも今後もこのまま低コスト化が進んでいくかというと、私はそろそろ限界に近いんじゃないかと思っています。
世界で最も売上の大きい運用会社は米国バンガード社です。
バンガード社のインデックスETFのVTは世界中に分散投資できるファンドとして日本人投資家にも大人気です。
このVTの経費率が0.09%です。
eMAXIS Slim先進国株の信託報酬が0.0965%とあまり差がありませんね。
実質コストで考えても0.15%くらいなので0.06%ほどの差まで迫っています。
では投資信託のコストもあと0.06%下げることが出来るかというと難しいでしょう。
ファンドのコスト引き下げの為にはファンドの規模が重要な要素になります。
日本で大人気のeMAXIS Slim先進国株の純資産額は689億円です。
これに対してVTの純資産額が1兆2千億円です。
もう全然相手にならないですね。
VTが実現する低コストはこの運用額の大きさに裏付けられています。
eMAXIS Slim先進国株が同じように1兆円を超えるような資産額になればVTと同じ低コストを実現することが出来ますが、それは無理でしょう。
VTは日本より経済規模の大きいアメリカで人気のインデックスファンドです。さらにアメリカ人だけじゃなくて世界中の投資家から資金を集めています。
日本の投資家でVTを購入している人もたくさんいますよね。
(実は私もVTを持っています。)
それは考えてみればすごいことです。
逆に考えてみましょう。
外国人がこぞってeMAXIS Slim先進国株を買う未来が想像できますか?
為替コストと日本での課税コストを余分に払ってまで日本の投信を買うような未来はどう考えても来ないでしょう。
そう考えると先進国株インデックスファンドの値下げ競争は今後あっと驚くような値下げは起きないと思います。
今、純資産額が300億円を超す先進国株ファンドで信託報酬が0.1%を下回るファンドはeMAXIS Slim先進国株の他にニッセイ外国株式インデックスファンドとたわら先進国株式インデックスファンドがあります。
先進国株インデックスファンドはこの3つのファンドから選んでおけばもう失敗することはないでしょう。