年齢と共に支出は減っていく
早期に仕事を辞めて自由を満喫するFIREは労働者の憧れですが、実際に踏み切る人はあまりいません。
FIREを躊躇する理由はなんといってもお金の問題です。
もし仕事を辞めてしまった後でお金が無くなってしまったら、、と思うと仕事を辞めるのは難しいですよね。
何かあった時のためにもう少し蓄えを増やしてからと退職を先送りにしている人もいると思います。
私が仕事を続ける理由も将来のお金の不安が大きいからです。
でも、退職後の生活費は思っているほど掛からないのかもしれません。
米国の研究チームがリタイア後の支出がどのように推移しているのかを調べた結果、年齢が上がるに連れて人々の支出は減っていくことを明らかにしました。
Reality Retirement Planning: A New Paradigm for an Old Science
https://www.i-orp.com/help/RealityRetirementPlanning.pdf
この支出減少の原因が注目すべき点ですが、資産額の大小を問わず支出が減少することが調査で分かりました。
原文サマリーの訳です。
従来のリタイアメントプランは、リタイアメント期間中、家計の支出が毎年一定額増加することを前提としています。
しかし、米国労働省の消費者支出調査のデータによると、実際には退職者の年齢が上がるにつれて家計の支出は減少することが分かっています。
そのため、従来のリタイアメントプランでは、消費者はリタイアメントに向けて貯蓄をしすぎたり、リタイアメント初期に支出を抑えたり、リタイアメントを先延ばしにする傾向があるのです。
現実のリタイアメントプランニングでは、家計の実質支出はリタイアメント期間中、段階的に減少すると想定しています。
その結果、顧客はより現実的な退職金貯蓄を想定することができ、より早く退職することができるようになります。
この論文は、消費者支出調査のデータを分析し、人々が年齢を重ねるにつれて自発的に支出を減らしているのか、それとも経済的な必要性や世代間の違いからなのかを明らかにしたものである。
結論は、支出減は自発的なものであるというものである。モンテカルロ・シミュレーションを用いて、従来の退職金計画と現実の退職金計画を比較し、仮想的な退職金収入予測を行った。従来の方法では、夫婦の貯蓄は80歳までに枯渇してしまうようである。
現実のアプローチでは、80歳時点の貯蓄は200万ドル以上となる。このような劇的な違いは、退職後の生活設計だけでなく、遺産相続、税金、投資計画などの関連する問題にも影響を与えます。
年齢と共に支出が減るのは分かる気がします。私も年を重ねるごとに物欲が薄れていくのを感じます。欲が無くなっていくのは寂しい気もしますが、これも自然の摂理なのでしょうね。
将来の生活費をあまり心配し過ぎる必要も無さそうです。